隣のキミ。
輝は手を開き、俺の方へと向ける。
「そんなまーくんに、あたしの自分勝手で我儘放題なところを分けてあげるわ」
「輝……。その手、いるか?」
「え。も、もう!気持ちよ!雰囲気!」
輝はその雰囲気とやらを押し付けるように、俺の手を叩いた。
「さ、まーくん。誰の気持ちとかもうそんなことは無視。自分の気持ちを優先して」
俺を立たせると、廊下へと連れ出す。
そして、手を振ってくる輝。
「校舎裏に行って来なさーい」
「え。もうすぐ授業始まるんだけど」
「おバカ!今は勉強より大事なことがあるの!」
「はぁ…?」
「いいからさっさと行く!絶対行け!」
久しぶりに低めの輝の声を聞いた。
よくわからねぇけど…行くか。