隣のキミ。
見ていたい。
- 梨子side -
昨日に戻りたい。
こんな勇気のないまま、決意する前に。
ずっと片思いのまま、真緒くんを見ている方が良かった。
こんなことになるなら……
「やばーい。授業遅れるわっ!!ってえ!?七海ちゃわっ!?」
「っ!?」
走っていたら、誰かにぶつかってしまった。
そっと腕を退かし、相手を確かめる。
瀬戸輝…。
「七海ちゃん、大丈夫!?」
「大丈夫です。すみません」
「いいのよ。あたしも走ってたから…ごめんね?」
「いえ」
「どこか痛む…ってえぇっ!?ど、どうしたの!?」
多分、私の目を見て驚いたのだろう。
涙を止めるためにずっと擦っていたから、きっと目は真っ赤だ。