隣のキミ。


「輝じゃなくて、俺を見てくれない?」


そんなのずっと見てるよ。

真緒くんしか見てないよ。

私は瀬戸輝に握られた右手を、ぎゅっと握った。


「私っは…ずっと……今までずっと…真緒くんしか見てないですっ…!!」

「…え?」

「私がずっと10年もずっと好きなのは真緒くんですっ!!」


言えた。

真緒くんに聞こえる声で言えた。

体中熱くて、苦しい。

でも、それ以上に伝えられたことが嬉しい。


< 93 / 138 >

この作品をシェア

pagetop