隣のキミ。


先程まで目線を合わせていた真緒くんは、いつの間にか逸らし、そっぽを向いている。

手で口を軽く押さえ、少しだけ此方を見た。


「まじか…。俺勘違いしてたってことだよな。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど…」


真緒くんの頬はほんのり赤い。

か、かかっ…可愛い……。

真緒くんが恥ずかしがってる姿なんて初めて見た…。

私はそっと真緒くんの耳元に口を近づける。


「そんなところもずっと大好きです」

「っ…やめろ、七海。からかうな」

「からかってなっわっ!?」


急に抱きしめられ、また私の頭はパニックになった。


「えっ……ま、真緒…くん…!!」

「俺の顔見えないようにしばらくこうしとく」


し、しばらくこんな状態のままなんて私の心臓は持たない。

今の内に一番言いたかったことを言わなきゃ…!!


「ありがとうございますっ…!!」


これから先も隣で見つめさせてください。






- end. -

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