隣のキミ。


筆箱を取り出し、準備をしている七海。


「なぁ、七海。輝がああ言ってるんだけど、そっちの方がいい?」


そう聞くと、一瞬固まった後、全力で首を横に振られた。

どうやら七海のままがいい様子だ。


「だとさ」

「えぇっ!?そんなことないわよね!?梨子ちゃんの方が特別感あって良くない!?」

「特別感?」

「そうよー。だって、七海ちゃんが梨子ちゃんなんて呼ばれてるところ見たことある?」


確かに…クラスの奴は皆、「七海」と苗字呼びだし。

クラス以外の奴と話すところはあまり見たことないが…

高橋も「七海」って呼んでたな。


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