キャンディ☆
その場にしゃがみこんで
彼の名前を呼び続けた・・・・


お願い・・・死なないで・・・

神様なんて信じてないけど
その時は、本気で祈ったんだ・・・


『お願い、彼を連れていかないで・・・
 

 私には必要な人なんです・・お願い』


彼は薄れる意識の中で

私を呼んだんだ・・・・・


私の涙を拭こうとしてくれたんだ。



真っ赤に血で染まった彼の手が


ゆっくりと私の頬に触れそうな時に


好きだって・・


好きだって言ってくれたんだ。



「私も・・・す・・好きですっ

 好きです・・・・」

彼の手がダラリと落ちた・・・


私は目をつぶってしまった彼に

何度も何度も・・・



そう、言ったんだよ。


『ねぇ、ちゃんと聞こえた?』





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