キャンディ☆
どううやって家までたどりついたのか
わからない・・・

ただ、足だけ痛かった。


家に帰れば、両親もきっと
彼が目覚めたことを喜んでくれるだろう。


この3年間、お父さんやお母さんも
私と同様に彼が目覚めるのを
祈っていたのだから・・・


早く家の中へ入って報告しなきゃ・・・

そう思うんだけど、私の足は
言うことをきかなかった。


今、私は笑顔でそのことを
話せるだろうか?


何度も何度も彼の言った言葉が
頭の中でこだましていた。

『明日からはもぅいいよ』

報われたくて3年間通ったわけではない。

でも、こんな結末になるなんて・・・



私の足は今、来た道をまた戻り初めていた。

家とは逆の方向に、あてもなく
ただ歩いていた。





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