キャンディ☆
でも、今日で会うのはきっと

最後になるだろうと思うと別の

意味での心臓の高鳴りを感じた。


『今日で最後なんていやだ。』


お父さんはリビングで待っていた。


彼はお父さんの前に座って

深く頭をさげて謝罪の言葉を

口にした。


お互いの不注意の事故なのに

そんなにも謝ってもらうと

なんだか、申し訳ないなぁっていう

私の気持ちとは裏腹に

お父さんはちょっとキレぎみだった。


「うちの子にもしものことが

 あったら、君を許さない」

とか言ってるお父さんを私はすごく

恥ずかしいと思いながら見てた。


「本当に申し訳ありません」

何度も彼はそう言ってくれた。

「もぅいいじゃん」

恥ずかしさのあまりそう言った私。

「ほんとよ、林檎は無事だったんだし」

とお母さんも応戦してくれた。

「どうせ、林檎がボーっと

 してたんだろうし・・・

 ねぇ、圭さん」

とお母さんは言った。

『圭さんって・・・・お母さん、
 
 目がハートになってるよ・・・』




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