キャンディ☆
「林檎さんは・・・メイクの勉強を?」

俺は恐る恐る訊ねた。

「そうなの、モデルもしてるんだけど

 今はもぅそっちはね・・・

 ほら、やっぱり背も小さいしね。

 あの子はやっぱり目立つことよりも

 裏方のほうが興味があったみたい」

「そうですかぁ・・・」


「母さん、あれをお見せしようって

 持ってきたのを・・・」

とお父さんに促されてお母さんは

紙袋の中から雑誌を出した。


「もぅご覧になったかしら?」

と付箋のついてるページを俺に見せてくれた。


それは、俺が意識をなくしてから

行われたであろう秋バージョンのうちの店の

広告だった。

写真の中で林檎ちゃんは目を伏せながら

少し微笑んでいた。

彼女のアップの斜め後ろには

ロビンが手を差し伸べてる・・・

前の俺の知ってるバージョンよりも

良い出来だと思えるとても

いい写真だった。
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