キャンディ☆
ナースステーションの前を通ると

林檎ちゃんは顔見知りのナースと話している。

本当に不思議で、入院していた俺よりも

はるかに仲がよい。

それだけ、彼女がここに来ていたんだね。


「お世話になりました」

「元気でね」

ナースは笑顔で答えていいた。



2人で会計をすませて並んで帰る。

こんな当たり前のことですら

俺には本当に奇跡のように感じるんだ。


タクシーに乗った。

「久々の外の空気はどう?」

「そうだな・・・シャバの空気ってやつ?!」

「あははは」

つまんない会話すらうれしいんだ。

「林檎ちゃん、ほんとにありがとう」

やっと言えた。

「ん」

彼女は短く返事をした。

< 212 / 284 >

この作品をシェア

pagetop