キャンディ☆
「林檎ちゃん、ごめんね・・・

 いっつもここでばっかりで・・」

「ん?別に気にしないでください。

 仕事してる圭さん見るのもうれしいし」

サンドウィッチを頬張りながら

彼女はそう言った。


「そんなこと言われたら仕事がんばっちゃうよ」

「あははは、がんばり過ぎないでね」

「うん、ありがとう」


2人のささやかな時間。

俺にとってはかけがえのない時間。


「今度さ、休みとれたら旅行にでも

 行こうか?」

「う~ん・・・私、就職してお給料を

 もらうようになってからでもいい?」

彼女は控えめにそう言った。


「なんで?旅費?!

 それなら、俺が・・・」

って言う終わる前に彼女は

「ちゃんと対等になりたいんです。

 旅費を出してもらったりしたくないんで・・・

 ごめんなさい・・・」


彼女はいいにくそうに言った。


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