キャンディ☆
俺はそういう彼女が好きだ。


自転車を買ってあげたときだって

そうだった。

遠慮されるのはなんだか遠い存在の

ようで、寂しくなるけど

そんな控えめな彼女に俺は惹かれたんだ。


「うん、俺こそごめん。

 じゃぁ、しっかり働いて稼いでよ」


「あはは、うん、早く仕事決めなきゃね」


「どっか候補はあるの?」

「う~ん、なかなか希望するとこがなくって」

「そっかぁ・・・」

「でも、納得できるところ探すつもり」

「うん、ゆっくりでもいいんじゃない?!」

「うん、そうだね」

彼女は最近、卒業間近で就職探しに

追われている。


俺の知り合いのところを紹介しようかと

思ったが、きっと彼女はそれを

嫌がるだろう。

そういうところが、彼女のいいところだと

思うから、俺も薦めたりしない。
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