キャンディ☆
その大学生がまだ見てるあいだに

俺は林檎ちゃんに手を振った。

彼女もうれしそうに俺に手を振って

駆け寄った。


大学生は残念そうに向き直って

歩いて行った。


俺の彼女を2度と目で追うなよ!


なんとも言えない優越感。



俺はどこまでも子供っぽい。


「圭さん、目立ちすぎぃ」

「ん?」

「さっきから周りのおねぇさん方が

 熱い視線をなげかけてたよぉ」

「ほんと?気付かなかった・・・」


「圭さんはほんとに自覚ないよね」

「でもさっきからみんな俺を見てるから

 なんかおかしな格好なのか気になった」

「おかしくないよぉ~

 圭さんかっこいいからみんな見てたの」

そしてちょっと膨れたフリをした

林檎ちゃんは、また俺のツボを刺激して

かわいかった。


「林檎ちゃんだけ見てくれればいい」

そう言って彼女の手を握った。

< 242 / 284 >

この作品をシェア

pagetop