キャンディ☆
「ん?なぁに?」


「なんか隠してる?」


「なに?」


「なんか言わなきゃいけないことない?」


「・・・・」


彼女は無言で俺を見つめた。

それは充分過ぎる返事だった。

なにか話さなきゃいけないことが

あるということ。



「俺は頼りにならないけど・・・

 もしもなにか悩んでるなら・・・・


 やっぱ、いいか・・・

 言いたくなったら言ってくれる?」


彼女は見る見る涙を浮かべて

首を横に振った。


「ちが・・違うの・・・・

 言いたくないんじゃない・・の」


俺は情けないことに動けないんだ。


彼女をそっと抱きしめてあげたかったのに

なんだかショックで動けなくて。


すごく嫌な予感みたいなのがするんだ。

自分で聞いておきながら今から

彼女が話すことを聞くのが恐くなったんだ。
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