キャンディ☆
「あのぉ、えっと・・・

 私、やっぱり近所の自転車屋さんで
  
 気に入ってるのあるから」

と、言うことにした。


変に思われたかもしれない。

でも、事故だったとは言え、こんな

高いものを買ってもらうのは気がひける。

本当は、1番端っこの赤い自転車が

気に入ってた。

「この赤いのはだめ?」

彼はまさに私の気に入った自転車を

指差してた。


じーっと私の顔を見て

フって笑って店員さんに

「これください」

と言った。


「そんな・・・だめです。

 こんなに高いの」

と私は慌てて本音を言ってしまった。


あっと思って口に手を当てたが

もぅ出てしまった言葉は

みんなに聞こえていた。


「ほんとに気に入ってるのが

 あるならやめるけど・・・・

 気を使ってくれてるなら

 遠慮しないでほしい」

と彼は言った。

その目が真剣だったので私は

真っ赤になりながら


「ごめんなさい」

と言うことにした。


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