キャンディ☆
待ちに待った土曜日。


家まで迎えに来てくれると言ってたので

朝からウキウキしながら

待っていた。


「あんた、ご迷惑にならないように

 しなさいよ」

とお母さんも、なんだか浮き足だって

いるようだった。


どうせ落とされるとわかっていても

彼に会うと思うと化粧してしまった。

お気に入りのワンピースを

着て彼の到着を待った。


今日会ったら、色々質問してみようと

昨日からずっと考えていた。


『歳は?彼女いるのか?兄弟いるのか?

 好きな色は?好きな食べ物は?』

きっとどれも聞けずに

帰ってくるだろうな・・・とは

思ったけど彼のことを少しでも

知りたかった。


約束の時間に私を迎えに来たのは

彼ではなかった。

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