キャンディ☆
澪さんは方向音痴だった。

お店に着くまで道に

迷いまくっていた。


それすら、なんだかかわいく

見えてしまう。


『美人は得だなぁ』


「ごめんね、私運転、苦手で」

と笑う澪さん。


「いえいえ、私も方向音痴です」


他愛もない話をしてやっとお店に

到着した。


朝の勢いをなくした私は

澪さんと過ごした車のなかで

すっかり戦意喪失していた。


「遅かったね、どうせ澪が道に

 迷ったんでしょ?」

と彼は迎えてくれた。


『澪って呼んでるんだぁ』


益々、へこんだ私。




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