キャンディ☆
跳んでる間はとっても時間が

ゆっくりになったみたで

景色もはっきりと見えていた。


歩道の女の人は悲鳴をあげていた。



私はそんなまわりをゆっくりと

見てた。

『私、死んじゃうのかな』

そして、鋭い痛みと共に

地面にたたきつけられた・・・


と、思ったらそれほど鋭い痛みも

なく、なんだかふんわりしたところに

落ちた。


それが植え込みだってことは

冷静になってからわかった。


起き上がれないかと思ったら

意外にも、すんなり起きれてしまった。


『お母さん、私生きてます!
 無事でした!』


少しふらつく足で、植え込みから

出て行くとまわりの野次馬は

心配そうに私を見ていた。


『見てるぐらいなら助けてくれれば

 いいのにぃ』


今ごろになって事故に遭った

恐怖で泣きそうになった。




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