海月姫は泡になる
シャボン玉




「キャハハハ
ねぇ!パパーみてみてー!!
……ふぅー」







円状の透明なものが
ふわふわと踊っている



その透明な物体は光の角度により
カラフルな衣装に包み込まれる


キラキラしてまぶしいそれを
欲しがる子供たち。


しかし、それはいとも簡単に壊れてしまう



どうして綺麗なものほど儚いのだろう

どうして綺麗なものほど手に入れたくなってしまうのだろう




それはまた作りだされ、私の前へとやってきた



「……きれい」



手を伸ばし、つかもうとした

その瞬間


「……あ」


それは風に奪われ手の届かないところに

ゆらゆら
ふわふわ
くるくる

と、色を変えながら踊り

パっと消えた











< 1 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop