海月姫は泡になる



「~~ということから~~~になるんです。
参考資料~~ページ~~~~」



対して面白くない講義を無視し、窓の外をみながらさっきのやり取りを思い出していた。


そういえば確かに、中学からの仲なのに私から恋愛の話を持ち出したことがない。

信用していないということではない。
むしろ、百合より信用している人なんていない。
たとえ彼氏でも百合の上にはいけないんだ。

それなのにどうして話さないのかって

それは本当に話すことがないから。


もう2年も付きあっている仲
sexもしていなければ、胸が高鳴ることもない。

喧嘩は付きあっている当初からしていないし
したとしても、少し拗ねるだけ。
これを喧嘩といえるだろうか。

彼は今、私の中で家族同然な存在になっている。


そんな、可もなく不可もなくな状態が昔から続いているだけ。だからなにも話すネタがない。


仮に話してみても


「そーゆー関係が一番いいよね」

こう返されて終わり。
現に昔言われた。


何かが昔から物足りないのだ。

彼からは沢山愛されてきたし、今でも愛されていると実感している。
もちろん私も彼と同じくらい彼を愛してきたし今も恋愛感情は薄くなったのかもしれないけど、彼を家族のように愛している。
百合も幼いころからの友達で1番仲良くしてもっらているし、家族にも愛されながら育てられてきた。

それの何が物足りないのさ。



…私にも分からないの


もの思いにふけっている
そのとき


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