そのくちづけ、その運命
聞くところによると、
彼、峰倉真人は21歳学生で、
樋口くんとは同じ大学に通っているらしい。
今まで話したことなかったけど、芸術系の大学のようだ。
そういえば、私の大学とは少し離れているけど、
最寄り駅の線路を挟んだ向こう側にそんな大学あったかも。
なんとか芸術大学って。
「オレ、前からみこっちゃんと話したいって思ってたんだ。
この前来たときはお店、てんてこまいって感じだっからさ」
そう言って彼は笑う。
あ、そうか。
確かにこのお店、平日はがら空きたけど
休日はこれでもかっていうぐらいに混み合う。
大盛況だ。
彼につられて私も笑顔になる。
「で、なんだけど」
峰倉くんがそこで言葉を切る。
「今みこっちゃんバイト中じゃん。あがるの何時?」
トクン、トクン、トクン、トクン、
「5時30分、です」
トクン、トクン、トクン、トクン、トクン、
「じゃあ、オレ待ってるからさ。この後時間ある?」
時刻は3時30分。
「でもまだ結構ありますよ…?」
「あー!敬語禁止だよ、みこっちゃん」
「急には無理ですよ……」
よく見る少女漫画での敬語タメ語云々のやり取りをたった今自分がしていると気づき、知らぬ間に体温が上がる。顔も、きっと赤くなってる。
「オレ、どうしてもみこっちゃんと話したいことあるんだ」
高鳴る、心臓の鼓動――…
彼、峰倉真人は21歳学生で、
樋口くんとは同じ大学に通っているらしい。
今まで話したことなかったけど、芸術系の大学のようだ。
そういえば、私の大学とは少し離れているけど、
最寄り駅の線路を挟んだ向こう側にそんな大学あったかも。
なんとか芸術大学って。
「オレ、前からみこっちゃんと話したいって思ってたんだ。
この前来たときはお店、てんてこまいって感じだっからさ」
そう言って彼は笑う。
あ、そうか。
確かにこのお店、平日はがら空きたけど
休日はこれでもかっていうぐらいに混み合う。
大盛況だ。
彼につられて私も笑顔になる。
「で、なんだけど」
峰倉くんがそこで言葉を切る。
「今みこっちゃんバイト中じゃん。あがるの何時?」
トクン、トクン、トクン、トクン、
「5時30分、です」
トクン、トクン、トクン、トクン、トクン、
「じゃあ、オレ待ってるからさ。この後時間ある?」
時刻は3時30分。
「でもまだ結構ありますよ…?」
「あー!敬語禁止だよ、みこっちゃん」
「急には無理ですよ……」
よく見る少女漫画での敬語タメ語云々のやり取りをたった今自分がしていると気づき、知らぬ間に体温が上がる。顔も、きっと赤くなってる。
「オレ、どうしてもみこっちゃんと話したいことあるんだ」
高鳴る、心臓の鼓動――…