そのくちづけ、その運命
恋愛超初心者の私にはわからない。
好きな人から連絡をしてきてくれて、それでもいざ会うとなると、
こんなに不安で怖い気持ちになる理由なんて。
ID、樋口くんから聞いたのかな。
土曜日に散々迷惑をかけてしまったバイト仲間の顔を思い浮かべる。
彼とはバイトで初めて会ってあいさつしたときに
緊急時用にと、お互いのIDを交換した気がする。
結局一回もメッセージを送ったりとすることもなかったのだけれど。
それでも交換しておいてよかった…
そんなことを延々と考え始めて、
「実琴ー?聞いてる?」
その声にはっと顔を上げる。
「ご、ごめん」
2限の講義を一緒に受けていた友人たち何人かでテーブルを囲んで昼食をとっている最中だった。
すると、
「ははーん。例の彼からですか?」
隣でお弁当を広げていた文香が私の手からスマホを取り上げる。
好きな人から連絡をしてきてくれて、それでもいざ会うとなると、
こんなに不安で怖い気持ちになる理由なんて。
ID、樋口くんから聞いたのかな。
土曜日に散々迷惑をかけてしまったバイト仲間の顔を思い浮かべる。
彼とはバイトで初めて会ってあいさつしたときに
緊急時用にと、お互いのIDを交換した気がする。
結局一回もメッセージを送ったりとすることもなかったのだけれど。
それでも交換しておいてよかった…
そんなことを延々と考え始めて、
「実琴ー?聞いてる?」
その声にはっと顔を上げる。
「ご、ごめん」
2限の講義を一緒に受けていた友人たち何人かでテーブルを囲んで昼食をとっている最中だった。
すると、
「ははーん。例の彼からですか?」
隣でお弁当を広げていた文香が私の手からスマホを取り上げる。