そのくちづけ、その運命
――――届いたんだ……!
直後、叫びだしそうになった。
それは、何にも例えられないくらい大きな感動だった。
そして、その女の子に対してもう一つの感情が湧いた。
ただ純粋に、
「知りたい」
と。
女子に対して、そんな感情を抱いたのは初めてだった。
……それが好きだという意味のだと気づくまでには少し時間はかかったけど。
それから、場所はよく思い出せないが、
俺の絵を見ていたあの子を見かけた。
友達から「みこと」と呼ばれていた。
彼女は2年生のようだ。
なぜか、そう思った。
なんとなくあのあどけない顔はまだ1年か2年。
しかしその装いは高校に入りたての1年とは違って見えたから。
放課後、生徒たちが帰った後の昇降口の2年生エリアで、「井上実琴」という名前を見つけた。
これが彼女の名前だと、またもや確信にも似たものをもった。
あのときは横顔を見ただけだったが、
次に見たときその子は歯を見せて笑っていた。
井上実琴、という名前のその子は、
この前の表情が嘘のように明るく、笑顔がよく似合う子だった。
これが「好き」という感情だと、俺はそのときはじめて知った。
……*……*……
直後、叫びだしそうになった。
それは、何にも例えられないくらい大きな感動だった。
そして、その女の子に対してもう一つの感情が湧いた。
ただ純粋に、
「知りたい」
と。
女子に対して、そんな感情を抱いたのは初めてだった。
……それが好きだという意味のだと気づくまでには少し時間はかかったけど。
それから、場所はよく思い出せないが、
俺の絵を見ていたあの子を見かけた。
友達から「みこと」と呼ばれていた。
彼女は2年生のようだ。
なぜか、そう思った。
なんとなくあのあどけない顔はまだ1年か2年。
しかしその装いは高校に入りたての1年とは違って見えたから。
放課後、生徒たちが帰った後の昇降口の2年生エリアで、「井上実琴」という名前を見つけた。
これが彼女の名前だと、またもや確信にも似たものをもった。
あのときは横顔を見ただけだったが、
次に見たときその子は歯を見せて笑っていた。
井上実琴、という名前のその子は、
この前の表情が嘘のように明るく、笑顔がよく似合う子だった。
これが「好き」という感情だと、俺はそのときはじめて知った。
……*……*……