そのくちづけ、その運命
「………!?」
顔の温度が急激に上がるのを感じる。
きっと、顔真っ赤だ。
「ふふ、かわいぃーなぁ、実琴は。
…オレのこと、嫌い?」
…真人くんって、結構小悪魔なんだ。
私はじっとその瞳を見つめた。
色素の薄いきれいなブラウン・アイ。
そういえば、初めて真人くんを見たときも、今どきの苦手な部類の男子のはずなのに、無造作なふわっとした黒髪と、少し長めの前髪の隙間から除く彼の瞳に目をひかれた。
……いつの間にか、見惚れていたんだよね。
初めて近くで話して、私もその瞳に映りたいと思ってしまっていた。
「嫌いじゃない」
そして、私は胸にしまっておいた大切な言葉を、丁寧に紡ぐ。
「好きだよ。大好き」
伝わった?私の気持ち。
その瞬間、私たちはキスした。
彼との2度目のキスは少し涙の味が混じっていた。