そのくちづけ、その運命
気づけば午後2時を回っていた。
あと3時間か。今日のシフトは午前11:00から夕方5:30まで。
休憩30分を挟んで実働6時間だ。
ふぅ……さすがに疲れた。土曜日というだけあって店内は家族連れが多い。
でも一番のピークは何とか超えた。あともう少しの辛抱だ。
「店員さん!」
「はーい!」
慌てて笑顔を作って対応する。
そのときだった。
カラーン
店のドアにつけられている呼び鈴が鳴った。
なんてことない、新たなお客さんが来店した――
私は接客中だし、樋口くんあたりが対応するんじゃないかな。
そんなことをなんとなく気にしながら、お客さんからの注文の確認作業に入る。
「繰り返します。オムライスが一つ。ミックスサンドが一つ――…」
しかし、私はなぜかそのときだけは扉の向こうから現れる人影を視界にとらえたいと思った。
理由はまったく見当がつかない。けれど、いつの間にか扉に意識が集中していた。
いつもは呼び鈴が鳴っても接客中はあたふたしてしまうからあえて気にしないことにしているのに。
どうしてだろう。
どんな人が次のお客さんか、なんて、私には何の関係もないことのはずなのに。
あと3時間か。今日のシフトは午前11:00から夕方5:30まで。
休憩30分を挟んで実働6時間だ。
ふぅ……さすがに疲れた。土曜日というだけあって店内は家族連れが多い。
でも一番のピークは何とか超えた。あともう少しの辛抱だ。
「店員さん!」
「はーい!」
慌てて笑顔を作って対応する。
そのときだった。
カラーン
店のドアにつけられている呼び鈴が鳴った。
なんてことない、新たなお客さんが来店した――
私は接客中だし、樋口くんあたりが対応するんじゃないかな。
そんなことをなんとなく気にしながら、お客さんからの注文の確認作業に入る。
「繰り返します。オムライスが一つ。ミックスサンドが一つ――…」
しかし、私はなぜかそのときだけは扉の向こうから現れる人影を視界にとらえたいと思った。
理由はまったく見当がつかない。けれど、いつの間にか扉に意識が集中していた。
いつもは呼び鈴が鳴っても接客中はあたふたしてしまうからあえて気にしないことにしているのに。
どうしてだろう。
どんな人が次のお客さんか、なんて、私には何の関係もないことのはずなのに。