おくすり








「このカバンについてるストラップ。昨日は付けてなかったよね?どうしたの?」





「あぁ、それ?友達に貰ったんだよー!可愛いよね!」





「男?女?」





「…男の子…だけど…」




「クラスのやつ?」



「う、ううん。昔からの友達で…
別にそんなやましい意味はないよ?たまたまUFOキャッチャーで取れたからって、くれて…」





「…あーあ。」











「…え?あ、青井くん?」









青井くんの態度が急に変わった。


さっきまで落ち着いたニコニコの笑顔が。


まるで別人のように鋭い目つきに…







「ほんと有り得ねぇ。
そんなの下心あるに決まってんだろ。ほんとに人の彼女って自覚あんのかよ。」






「あ…えっと…ごめんね…?」







「…無理。気分悪くなった。」






「あ、あの、これちゃんと返すから…」







「何言ってんの。またそいつに会うの?んで?浮気するわけ?ほんと有り得ねぇんだけど。」






「う、浮気なんてそんなの…!!!」





「うるせぇ!!!」






パンッ






…え?






「んなの信じるわけねぇだろ。ふざけんじゃねぇよ!」






いま






わたし




もしかして






「お前聞いてんのかよ!!!
さっさと返事しろよ!!」







パンッ







また、


また、、







殴られ、た?








あの青井くんが。
笑顔のかっこいい
爽やかで真面目な青井くんが。








DV男だったなんて。














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