おくすり
「おはよう、神代さん」
「あ、おはよう!青井くん」
朝から青井くんと爽やかな挨拶を交わす。
彼はいつでも爽やかだ。
誠実な雰囲気がオーラから放たれている。
そんな彼と私は恋人…前の私じゃ考えられないなぁ…
「ねぇ、神代さん。今日の放課後空いてる?」
「え?あ、空いてるよ!」
これはまさか、放課後デートってやつ…!?
「そっか!じゃあお願いがあるんだけどさ、生徒会の資料のホッチキス留めを手伝ってくれない…?今日中にやらないといけなくて…!!お願い!」
資料の…ホッチキス留め…
そっか…そうだよ、生徒会にも入ってる青井くんは真面目だから、放課後デートなんてしないよね…
「うん。私でよければ手伝うよ。」
「本当?ありがとう!
…あ、放課後デートはまた今度ね。」
コソッと耳打ちをして自分の席へ向かう青井くん。
…何、今の!
すごくドキッとした!
今では珍しく高校生にして彼氏が初めての私にとっては、コッソリ耳打ちなんてシチュエーション…ドキドキが止まらなかった。刺激が強すぎる。
青井くん…まさかこーゆーこと慣れてる…?
真面目な顔して実は…とか?
(それもそれでアリだな…)
はっ!だめだめ!青井くんは真面目な人!
そんなまさか…ね?