御垣守~あやどるの百人一首小説第1弾~
湖心もそれを読み取り、頭を掻いた。


「先に俺が言いたかった......。


悠、俺は、《筑波嶺の》、かな」


筑波嶺の 峰よりおつる男女川

恋ぞつもりて淵となりぬる___。


筑波山の峰から落ちる男女川の水かさが増えるように、


私の恋心もつもりに積もって淵のように深くなってしまった。


< 18 / 20 >

この作品をシェア

pagetop