飼ってあげるよ、女王様…?
女王
私、菅野零は
所謂優等生として生きてきた
だから
先生からも特別に扱われた
交友関係も悪くなかった
サッパリした物言いとクールな性格と
一般的に美人の部類に入るこの顔で
『女王様』なんて皮肉を言われるような事もあったけど
計算尽くで上手く立ち回って
高校じゃ、敵も作らず
愛称として『女王様』と呼ばれるようにもなった
何故か私の女王様キャラが人気を博し
今やファンクラブまである始末
勉強もそれなりに出来た
元から頭が良くて
家でも出来のいい子だと喜ばれ
いい子いい子と大切に育てられた
親は
滅多に私を叱らなかった
叱られたことがもう記憶にない程
他の誰も
私を叱ることなど無かった
誰もが羨む
何一つ支障のない高校生活
私の人生は満ち足りていた
訳じゃなかった