夏祭り
「迷子センターって、どこかに、あったっけ?」

「あっても、ここからは、遠いと思う。」

 空は、だんだん闇を、深めてゆく。

「あまり、動かない方が、いいんじゃないか。」

 確かに、遼の言う通りかも知れない。
 しばらく待って、いよいよ、迷子センターへ向かうべきか、と、考えている時、遠くの方から声がした。

「ハルト!」

「ママ!」

 母親らしき女性が、駆け寄ってきて、男の子を、抱きしめた。

「すみません。ありがとうございます。」

 ぴょこんと、頭を下げて、ハルトくん親子は、去っていった。
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