夏祭り
「よかった……。でも、花火、始まっちゃうね。ごめんね。」

 私は、遼に、謝った。

「仕方ないよ。それに……。」

 言いよどんでいる、遼を、見つめた。

「?」

「花火は、来年もあるしさ。」

 優しい笑顔で、遼に、そう言われると、胸がキュンとなった。

 それって、来年も、私たち、一緒にいるって、ことだよね。それって、なんか、殺し文句だなぁ。今の私にとって。
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