夏祭り
「遼、でいいよ。」

「あ、うん。」

「……俺たち、付き合ってるんだからさ。」

 そういう遼の、低い声の甘さに、驚く。学校では、見たことない表情。

「そ、そうだよね。じ、じゃぁ、遼も、私のこと、名字じゃなくて、名前で呼んで。」

「わかった。美緒。」

 自分から、お願いしたくせに、なんだか、すごく、くすぐったい。顔が、熱い。だけど、嬉しい。
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