週刊誌ライター
 コーヒーを飲みながら、仕事する。


 あたし自身、読み物でも読み捨てられる類のものを書いている。


 本当なら、一生取っておいてもらえるものの方がいいのだが、週刊誌はそうはいかない。


 常に新しいものを作る。


 エネルギーをフルに使って、だ。


 それにあたしたち記者も雑誌屋などと言われて、忌み嫌われている。
 

 だが、わずかながら、矜持のようなものはあった。


 文章を書くということに。


 ジャーナリズムとは、およそ程遠いにしても……。


 キーを叩き、記事を打っていく。


 期日までに挙げて、またスクープを探す。


 その繰り返しだった。


 10月も日にちが過ぎていく。
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