週刊誌ライター
第62章
     62
 世間はクリスマスでも、あたしにとっては単なる平日で、普通に仕事である。


 疲れはあったのだが、連日頑張っていた。


 週刊誌記者は忙しい。


 退屈な時間がないのだ。


 ずっとパソコンに向かい、キーを叩く。


 別にあたし自身、書くことが嫌なわけじゃない。


 むしろ向いていた。


 何かを書き綴ることに。


 仕事しながら、アル中のあの人のことを時々思い出す。


 とうに縁は切れているのだし、仮に葬式があったとしても、線香の一本も手向けてやるつもりはない。


 それだけ、あたし自身、あの人のことを嫌っていた。


 生理的に合わないというか、同じ空気を吸いたくないというか……。
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