週刊誌ライター

第６３章

　　　　　６３
　昼間はずっと記事を書いている。


　キーの叩き過ぎで腱鞘炎があった。


　どうしても痛む時は、鎮痛剤を飲んでいる。


　まあ、職業病みたいなものだ。


　何かを書く人間にとっては。


　合間にカフェに行くことがある。


　パソコンとＩＣレコーダーを持って。


　カフェのコーヒーの方がやっぱり美味しい。


　店にはいつも独りで行っていた。


　誰とも組まないし、妥協もしない。


　あたしには確固たるものがあった。


　何かに靡かずに。