週刊誌ライター
第94章
     94
 4月になり、新年度へと切り替わる。


 相変わらず疲れていた。


 毎日出勤するのだけれど、体はだるい。


 春から夏になったような陽気が続く。


 記事を書き続けていた。


 一記者として。


 入社して6年経つと、後輩社員も入ってくる。


 人間関係は苦手だ。
 

 元々、あたしには記事を書くことしか能がない。


 大学で文芸を専攻していたことも、事情としてある。


 常に孤独を好んでいた。
 

 いくら電車通勤でも、仕事後、飲みになど行かないからだ。

 
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