週刊誌ライター
 腰掛でもいいと思っているのだった。


 代わりなどいくらでもいるのだろうし……。


 それに仮に結婚した後、離職すれば、家庭に収まることだってある。


 女性の現実ってそうなのだ。


 もちろん、この世界でずっと続く事実や営為などない。


 ライターをやりながら、常にそう感じていた。


 現時点では仕事に没頭していても、退社することだって考えていた。


 今の仕事はハードで、ずっとやれる類の物じゃない。


 そう思っていた。


 5年間走り続けていても、取り巻く現実は甘くない。


 そんなことを常々考えながら、現実に向き合っている。


 あたし自身、固定した職業に拘ることはないのだから……。


 6月下旬は街も雨天が続いていた。
  


 


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