週刊誌ライター
第210章
     210
 平日の昼間は、社にいる。

 ずっとパソコンに向かっていた。

 あたしにも限度というものがある。

 記事を書くのは、実に大変な作業なのだ。

 ただ、いろいろあっても、やっていくしかない。

 春は何かと物憂い。

 もちろん、すぐに街は夏の陽気を帯びる。

 他誌の記者とは、あまり馴染みがなかった。

 初めて会った時、メールアドレスの交換ぐらいはするのだけれど……。

 あたし自身、特に仲間意識というのを持たない。

 独りで奮闘することが多かった。

 それに他人は他人だ。

 
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