取り込む家
緊張と不安と期待と楽しみ。


いろんな感情が入り交ざり、自分の表情が硬くなっているのがわかった。


あたしはロッカーの鏡の前に立ち、深呼吸をした。


ワインレッドのエプロンに、同じ色の帽子。


「可愛いじゃん」


後ろからそう声をかけられて驚いて振り返ると、バイトの先輩が立っていた。


背が高く、スラリとした体型のモデルみたいな美人さんだ。


「あ、ありがとうございます」


照れ名がらそう言うと、先輩はあたしの肩を叩いて「リラックスしてやれば大丈夫だから」と、声をかけてくれたのだった。
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