取り込む家
☆☆☆

研修期間の3日間は1日3時間勤務だった。


この期間にみっちり仕事を覚えさせられて、本番は4日目からになる。


あたしは気合を入れて店長に挨拶をした。


「元気がいいね、尾崎さん」


女性店長の牧野さんはそう言って白い歯をのぞかせて笑った。


牧野さんの第一印象は、ふくよかな体系で性格もサバサバしているという感じだった。


面接の時から牧野さんのサッパリした性格はすぐに感じ取ることができていた。


「じゃぁ今日はフロアの掃除からお願い。雪さん、よろしくて」


あたしの後ろからついて来た先輩に、牧野さんが話しかける。


雪さんと呼ばれた先輩は「はぁい」と、間延びした返事をしてあたしを促した。
< 102 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop