取り込む家
正直、今から帰って家の事もしなきゃいけないと考えると、とても億劫な気分だったのだ。


でも、これがあればご飯の支度はしなくていい。


嬉しい気持ちになりながらスタッフさんたちに声をかけて従業員出口へと向かう。


その時後方から牧野さんと雪さんの話し声が聞えて来た。


「あの子、どうだった?」


「とてもやる気があるいい子だよ。研修期間中にレジも覚えてもらって、しっかりシフトにも入ってもらおう」


「それならよかった。面接の時に雰囲気の良い子だなぁって思ったんだよねぇ」
そんな声を聞きながら、あたしは店を後にしたのだった。
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