取り込む家
「どういう意味?」


そう質問したあたしの声はくぐもっていた。


口のあたりが丁度俺の肩に当たっているので、少し背伸びをする。


背伸びをすると体が少しふらついた。


すると優生が膝を曲げて身長を合わせてくれた。


口元が解放され、安心してため息を吐き出す。


「咲は俺の結婚相手になってくれようとしてるんだよね?」


そう質問されて、あたしは少しだけ沈黙して、そして「そういう事なんだと思う」と、返事をした。


曖昧な返事の仕方をしてしまったのは、照れくさかったからだ。
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