取り込む家
☆☆☆

優生の両親が家に来たのは昼を過ぎた時間だった。


待てども待てども来ないなと思ったが、まさかお昼を過ぎるとは思っていなかった。


あたしは2人にお茶を出し、会話に花を咲かせながらも視線だけは冷蔵庫を見ていた。


冷蔵庫に寝かせてあるハンバーグのタネを思い出す。


2人は食事を終えてから来ているようで、お腹が空いている様子はない。


さっきから優生が選んだこの家を褒め続けている。


あたしが選んだ花も、「趣味がいいわね」と、褒めてくれた。


だけど会話にはなかなか入っていく事ができず、あたしは聞き役に徹していた。


「もう2時か」
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