取り込む家
会話が途切れた時、不意にお父さんがそう言った。


料理の番かと思い、一瞬目を輝かせる。


しかし、次の言葉にあたしの期待は一気に砕かれた。


「この辺にどんな店があるのか、知りたいからみんなで出かけないか?」


「いいわね! 優生、この辺にはおいしいパン屋があるんでしょう?」


お母さんが嬉しそうにそう言う。


「あぁ。あるよ」


優生はあたしの事を気にしながらも、頷いた。


「3時のおやつにみんなでパンを買いに出かけましょうよ! ね、咲さん?」


お母さんにそう言われて嫌だと言えるわけがなかった。


やっぱり、2人は昼ご飯を食べてきているようだ。


あたしは苦笑いを浮かべ「そうですね」と、答えたのだった。
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