取り込む家
☆☆☆

2人はとてもパワフルだった。


一度家から出ると近所のお店すべてに入って回り、最後にはあたしがバイトをしているファミレスにまで興味を持ちだした。


そのおかげであたしと優生はファミレスで食事をとる事ができたからよかったけれど、戻って来たときにはヘトヘトになってしまっていた。


「それじゃ咲さん、優生をよろしくね!」


そう言ったお母さんはまるで小旅行を楽しんだ帰りのような、明るい表情をしていた。


あたしは2人を見送った後、すぐにリビングのソファに寝そべった。


半日ほど優生の両親と一緒にいるだけで、こんなにも疲れるものなのかと、思い知った気分だった。
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