取り込む家
☆☆☆

翌朝、キッチンからの物音で俺は目を覚ました。


いつものようにおいしそうな味噌汁の香りがするはずだと思い、穴へ向かう。


しかし、そこから漂って来たのはハンバーグの香りだったので、俺の目は一瞬にして覚めてしまった。


毎朝サキはお味噌汁を作る事を欠かさない。


しかし、今日はその香りが漂ってこないのだ。


俺は穴に右目を近づけて部屋の様子を確認した。


キッチンに立っているサキのシルエットだけが見ていて、どんな様子なのかわからない。


だけど、いつもの日課を怠ると言う事はなにかがあった証拠だった。


昨日はとても疲れた様子だったし、サキはずっと笑ってもいなかった。
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