取り込む家
サキの尖ったような声が聞こえて来た。


明らかに苛立っている。


「仕方ないだろ? 両親は食べてきたんだから」


「そうだよね、仕方ない。だから今日の朝もハンバーグなのも仕方ないよね?」


「なんだよサキ、どうした?」


サキがイライラしている事にようやく気が付いたユウセイが、なだめるような口調になってそう言った。


「食べて来るなら一言言ってくれれば、あたしだって用意しなかったのに」


「俺の両親が悪いって言ってるのか?」


「悪いなんて言ってない!」


サキの叫び声が響く。
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