取り込む家

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いつも俺の好きなものを作ってくれる咲の為に、今日は咲の大好きな海鮮パスタを作る事に決めた。


材料決めの時はワクワクしていたのだけれど、いざそれらを並べてキッチンに立つと、何をどうすればいいのかわからなくて手が止まってしまった。


海鮮をパスタに絡める前に下準備し、茹でておくのか？


味付けはどうすればいいんだろう？


１つ１つの工程をスマホで調べながらゆっくりと進めていく。


馴れないエビの皮むきには苦戦し、随分と時間がかかってしまった。


ようやくパスタが出来上がった時は外は真っ暗になっていて、慌てて洗濯物を取り込みに行った。


料理と洗濯もの。


たった２つの家事をしただけで俺はヘトヘトになってしまっていた。


キッチンにテーブルに座り、湯気の出ているパスタを見て咲の顔を思い浮かべる。


頑張って作った料理を褒めてくれるだろうか。


咲の気持ちを理解していなかった俺を、咲は許してくれるだろうか。


そんな事を色々と考えてしまう。