取り込む家
☆☆☆

それから20分ほど経過した時、優生の車の音が聞こえて来てあたしはリビングの窓を見た。


見慣れた車が車庫に入って行く様子が見える。


「ついに来たね」


真衣があたしの隣に立ってそう言って来た。


「うん。真衣、大丈夫?」


「大丈夫だよ。少し緊張はしてるけどね」


真衣の言葉を聞きながら、あたしは車から出て来る2人を見ていた。


優生がこちらを見て片手を上げる。


あたしはそれに答えて右手を上げた。


助手席から出てきた立花さんと目があい……一瞬、凍り付いた。


はじめて見るはずの立花さん。


その立花さんは、あたしのよく知っている人だったから……。

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