取り込む家
「俺が車で行った方が早いだろ? 欲しい物があれば言ってくれ」


笑顔でそう言い、サキを座るように促した。


「でも……」


「それならあたしが一緒に行きたい!」


サキの言葉を遮るようにそう言ったのはマイだったのだ。


サキが驚いたようにマイを見る。


「実はパンつくりにも挑戦したいと思ってたの。どんなパンが売られているのか、直接見てみたいわ」


これはタチバナへのアピールなのだろう。


マイはしきりにタチバナへ視線を向けながらそう言った。


「そ、それならみんなで行こうよ」


サキがすぐにそう言った。


確かに、この場にタチバナとサキだけが残る状況には違和感がある。


しかし、立花が左右に首を振ったのだ。
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